自転車ヘルメット着用率の地域格差。一体なぜ?理由を考察してみた。

自転車ヘルメット着用率の-地域格差。-一体なぜ?理由を考察してみた。 ミニベロ

2023年4月から努力義務となった自転車のヘルメット着用。その道路交通法の改正後初めて、警察庁から自転車運転時のヘルメット着用率について、全国的な調査結果が発表され、話題になりました。

なんと、全国平均は13.5%でした。具体的には、全国の5万2135人の自転車利用者のうち、ヘルメットをつけていたのは7062人とのこと。みなさんはこの数字を聞いて、少ない!と思いましたか?意外と多いなと思いましたか?

さて、もう少しこの数字について深堀していきたいと思います。

全国平均は13.5%だが…最も着用率高い県で59.9%と格差アリ

どうやらこの結果は単純に全国平均をみて評価したらいいわけではなさそうです。

なんと、最も着用率の高い県で59.9%、そしてもっとも低い県で2.4%と、かなり都道府県によって格差がある結果でした。

それらをひっくるめて平均が13.5%かあ、と思うと、すこし見方が変わってきますよね。つまり、上位の県のひとたちが半数以上つけているのに対して、それ以外の県はほとんどつけていない、でも数字上は10人に1.4人くらいは着用していることになる。

この数字はほとんど上位の県によって引き上げられているだけのように思います。

さて、そこは置いておいて、重要なのはなぜこのような地域格差が生じたのでしょう。そこにヘルメット普及のカギが、きっとあるはずです。

理由の前に…まずは都道府県別の結果。あなたの県は?

今回の警察庁からの発表の面白いところは、都道府県別の結果が記載されていたことです。

メディア向けに発表されたのか、元データがみあたらなかったのが残念なのですが、NHKの発表だと愛媛県で59.9%、次に大分県が46.3%、そして3番目が群馬県43.8%ということでした。一方で、着用率がもっとも低かったのは新潟県で2.4%、青森県が2.5%、秋田県が3.5%とのこと。地域ごとの差がかなり大きいことが一目瞭然ですね。

ああ、このデータの全国版がとてもほしいです。もし見かけた方はぜひコメントで教えて下さい。では、地域別格差の要因を見ていきましょうか。

ヘルメット着用率が最も高い愛媛県~驚異の60%の理由とは~

なんと、愛媛県はすでに2016年、県内の調査でヘルメット着用率が68%と報告されています。(参照:https://trafficnews.jp/post/47695)

その要因として、全国に先駆け、自転車のヘルメット着用を県の条例にしていたことが大きな理由だと考えられます。

2023年に努力義務化となった全国に比べて、愛媛県はその10年前、2013年7月に「愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例」を制定。この条例では、「自転車マナー先進県」を目指すとして自転車損害賠償保険への加入やヘルメットの着用を努力目標と設定していました。

なぜ、そんなに先駆けて自転車への法整備を進ていたのでしょう?

それは、サイクリストじゃなくてももはやだれでも知っている有名観光地「しまなみ海道」のためです。愛媛県では、瀬戸内海を渡って今治市と広島県尾道市を結ぶ「しまなみ海道」と呼ばれる西瀬戸自動車道を、「サイクリストの聖地」として大々的にアピールしています。普段自転車に乗らない方でも、レンタル電動自転車でチャレンジする人がだいぶおおくなりましたね。もちろん、観光地としてだけでなく、「しまなみ海道」は国際的な自転車競技の大会にも使用されていることから、やはり法整備をしておく必要があったのでしょう。

2位・3位の県も、やはり全国より早く条例化が後押しか

46.3%と2番目に高かった大分県、そして43.8%で3番目の群馬県も、どちらの県も愛媛県と同様に全国より先駆けて令和3年に自転車ヘルメット着用義務化の県条例を発令していることがわかりました。

やはり、ヘルメット着用を推奨するポスターの掲示など、地元の自治体が頑張っていると市民に浸透しやすいのでしょうか。

そして、上記の2つの自治体はヘルメットだけでなく、自転車保険加入も義務化。素早い対応に頭があがりません。

また、愛媛県と同様、大分県も群馬県もやはりサイクリストを観光に呼び込もうと大変努力している自治体ということもわかりました。

大分県は「CYCLING OITA」という超素敵なホームページを用意して、同県のサイクリングの魅力を伝えています。九重連山をはじめとする名山に、さらに別府湾沿いを走れるという、まさに山・ヒルクライムも海・スプリントも楽しめるサイクリストからすると最高のロケーションですね。

群馬県は自転車専用の道路整備に力を入れており、なんと県管理のサイクリングロードが利根川自転車道をはじめとし3路線、市町村管理のサイクリングロードが16路線の計19路線も存在しております。また、これらのサイクリングロードがつながるように町中のサイクリングロードが用意され、なんと群馬県からディズニーランドにサイクリングで行けるという。インフラがこれほど整備されていると、力の入り具合がうかがえますね。

着用率が低い新潟県2.4%、青森県2.5%、秋田県3.5%

こちらの3県はそもそも雪国で、自転車利用率も低いことが影響している可能性が考えられます。

事実、2020年国勢調査により発表された通勤通学時利用交通手段では、新潟県は47都道府県中45番目に低く、4.8%という数字です。そもそも自転車の利用者が低ければ、広報活動の優先順位も下がりますよね。

青森県も同調査で36番目に低く6%。しかし、青森県は、津軽鉄道や弘南鉄道などサイクルトレインを運行しており、サイクリストをターゲットにした観光業に力を入れ始めているので、今後に期待できそうです。

秋田県も42番目と低く、5.46%しか通勤通学に自転車利用者がいないとのこと。通勤通学者の自転車利用率では、やはり先ほどの愛媛県が3番目に多いことを考えると、もともとの自転車人口の違いが大きく影響してそうですね。

自治体の限られたリソースをさく対象として、優先順位が下がてしまうのは当然のことです。

自転車乗車中の死亡事故で最多は頭部の損傷

自転車ユーザーが増えてきて、毎年増えている自転車事故。最近も、ツール・ド・北海道でも痛ましい事故が起きました。

自転車事故で命を落とす原因となる損傷部位として最多なのは、やはり頭部がダントツ。半数以上の56%が頭部、その次が8%で頸部です。

これをみてもやはりヘルメットの重要性がより一層認識されますね。

いまどきは、ガチガチのヘルメットでもなく、まるで帽子のようなヘルメットもたくさん展開されています。ぜひ、このニュースを機に、皆さんも今一度ヘルメット着用の意識を高めましょう。周囲のひとで、かぶっていない方がいらっしゃったら、ぜひこのニュースを教えてあげてくださいね。

さいごに…

私が住んでいる大阪は、なんと下から4番目、4.2%の着用率でした。努力義務化のときに一時期話題になった、「ヘルメット品薄!」の話は一体なんだったんだ…と思わざるを得ませんが、大阪は自転車人口最多なので、ピンキリなのでしょうか。

サイクリストからするとヘルメットをかぶらないなんてありえませんが、普通のママユーザーだとなじみがない習慣ですものね。

地方自治体の自転車環境の整備の力の入れ具合の違いも見ていて、興味深かったですね。やはり自転車というツールが適合する地域とそうでない地域があるのは当たり前のことかもしれません。

では、皆さま、きちんとヘルメット
をかぶって、安全な自転車ライフを楽しんで。

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